入社したばかりで正しい敬語が使えているのか不安なあなた!
【お疲れ様】と【お疲れさま】の意味は同じですが、【お疲れ様】と【ご苦労様】の意味は違いますよ。
「とりあえず周りの人が使っている言葉をなんとなく真似すればいいや」なんて思っていませんか。
たとえ、丁寧な言葉を使っていても、間違った使い方をしていると相手によく思われません。
会社内や社外の取引先で恥をかかないよう、正しい敬語を使えるようにしておきたいですよね。
この記事では、間違いなく【ビジネスで使える正しい敬語】をシチュエーション別にお伝えします。
敬語は会社では教えてくれません。ぜひ最後まで読んで、自信を持って使えるようになりましょう!
Contents
【お疲れ様】と【お疲れさま】の違いはない
【お疲れ様】と【お疲れさま】は、同じ意味の言葉です。漢字とひらがなの違いがあるだけですね。どちらにも【相手をねぎらう】という意味があります。
社内では、【こんにちは】のようにあいさつとして使う方が多い印象がありますよね。メールの冒頭でもよく使われますね。
接頭語の【お】は敬語です。文脈によって尊敬語、謙譲語、丁寧語の3種類に変化します。
【お疲れ様】の【お】は尊敬語もしくは丁寧語です。【お疲れ様】も敬語ですが、【お疲れ様です】だとより丁寧な印象に感じられますね。
また【お疲れさま】と、ひらがなを多くすることで柔らかい印象を持ちます。それによって、あえて【さま】をひらがなで使っている人もいます。
はじめにお伝えしたとおり、漢字とひらがなで意味に違いはありません。相手の文体に合わせることで使い分けるのも一つの手と言えるでしょう。
【お疲れ様】と【お疲れさま】は目上の人に使ってもよい
社内における【お疲れ様】
【お疲れ様】は、本来目上の人が目下の人に使う言葉でしたが、いまでは誰に対しても使うことのできる言葉です。
もともとは部下が上司や目上の人に対して、ねぎらいを伝えるときに使われる言葉でした。
現在は世代を問わず使うことができる、使い勝手のいい万能なフレーズです。そのため、安心して【お疲れ様】を誰にでも使うことができますよ。
社外の人に【お疲れ様】と言ってはいけません。メールで使う際は【お世話になっております】を文頭に入れるとよいでしょう。
使ってはいけない敬語
【お疲れ様】は誰に対しても使える敬語です。しかし、私たちが敬語だと認識して使っている言葉の中には敬語ではないものが含まれています。
知らず知らずのうちに間違った敬語を使っていませんか。これを機に、本来は敬語ではない言葉を一緒に確認しましょう。
【了解です】
【了解】は【物事の内容や事情を知り、納得すること】【理解すること】といった意味で、主に使われています。
普段の会話で友人に使う人も多いのではないでしょうか。そのため丁寧語とはいえ、目上の人に対して使うと軽い印象を与えてしまいます。
自分と同等もしくは目下の人に使うようにしましょう。目上の人には【承知しました】を使いましょう。
【なるほどですね】
【なるほどですね】は【です】という丁寧語から敬語のように感じられますね。
しかし、【なるほど】は副詞です。【ですね】を続けて使用するのは不適切です。
例えば、【うん】という言葉に【ですね】という言葉をつけて【うんですね】と言うのは不自然ですよね。
【なるほど】という言葉は【相手の言うことに対して、確かにそうであるという評価を下して同意する】という意味があります。
ビジネスシーンで、相手の言うことを評価するニュアンスの言い方は危険です。相手の気分を害する恐れがあるからです。
そもそも目上の人が目下の人に対して使う言葉であるため、目上の人に使ってはいけません。
【すみません】
【すみません】は謝罪を表す言葉ですが、ビジネスシーンで使うのは不適切です。
また、くだけた表現の【すいません】は話し言葉のため使ってはいけません。
【すみません】も丁寧語ではありますが、やや軽い表現です。
謙譲語や尊敬語ではないためビジネスシーンには適していません。
目上の人に謝罪する場合は、【申し訳ございません】【大変失礼いたしました】を使いましょう。
【〜になります】
【〜になります】は、話し言葉として使われることが多いですね。
【状態変化】や【ある時期に達する】【〜に相当する】という意味を持ちます。
【こちらが昨日の資料になります】とした場合、昨日の資料が別のものから変化した、もしくは昨日の資料に別のものが相当するという意味になります。
そのため【こちらが昨日の資料になります】と使うのは、実は誤りです。
正しくは【こちらが昨日の資料です(資料でございます)】と使うのがよいでしょう。
【お疲れ様】と【お疲れさま】は【ご苦労様です】と違う
【ご苦労様です】の違い
【お疲れさま】と【ご苦労様】は、相手へのねぎらいを伝えるという意味を持つ言葉です。
意味としては同じですが【お疲れさま】と【ご苦労様】は使う相手によって注意が必要です。
【ご苦労様です】は目上の人や上司が、部下や年下の人に向けて使う言葉です。
【お疲れ様です】と同様に、【相手の苦労や努力をねぎらう】という意味を含んでいますが、使用する際には相手との関係性を配慮する必要があります。
また、【ご苦労様です】は【奉仕】という意味合いを持つため、目下の人が目上の人に対して使うことは適していません。
【ご苦労様】は相手の尽力を冷やかしたり、嘲ったり、皮肉を込めて使うこともあります。
例えば、一人の人がやり続けていることに対して「たった一人でご苦労様」と使います。
あるいは批判をしてきた人に対して「わざわざご苦労様」と使う場合もあります。そのため、皮肉に聞こえないように使いましょう。
ビジネスにおける敬語のおすすめ本
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【お疲れ様】と【お疲れさま】の言い換えの言葉
日本語の【お疲れ様の言い換え例】
常に【お疲れ様】を使っていては、定型文っぽくなってしまうと悩んだことはありませんか。
ここではシチュエーション別に使える【お疲れ様】の言い換えの例をご紹介します。
朝や出社時に会ったとき
【おはようございます】は広く使われている言葉ですが、敬語表現の【ございます】がついているため使用しても問題ありません。
また、【おはようございます】は朝以外にも使う場合がありますが、あまりに遅い時間になってくると不自然です。
その場合は、その日初めてのあいさつでも【お疲れ様です】を使いましょう。
相手が先に退社するとき
自分よりも先に上司や目上の人が退社するときは、【お気をつけてお帰りください】と声かけをしましょう。
次の日に同行する予定がある場合は【明日の打ち合わせ、よろしくお願いいたします】【明日の○○を楽しみにしています】とつけ足しましょう。
相手にいい印象を与えることができますよ。
自分が先に退社するとき
上司や目上の人よりも自分が先に退社するときは、【お先に失礼します】と声をかけましょう。
この場合の接頭語【お】は謙譲語であるため、自分をへりくだって相手を立てた言い回しとなります。
【お先です】は軽く、不適切な表現です。
【失礼】という言葉自体に【他人のもとから立ち去る際の丁寧な言い方】といった意味が含まれます。
【お先です】では、立ち去ることへの丁寧な意味合いが含まれていません。
そのため、【失礼します】を必ず省略しないようにしましょう。
【○○の件、ありがとうございました】【〇〇のこと、引き続きよろしくお願いいたします】とつけ足すのもおすすめです。
相手が先に入室しているとき
上司や目上の人がすでに部屋に入っていた際は、【失礼いたします】と声をかけて入室しましょう。
ドアが閉まっている場合は【〇〇です。入室してもよろしいでしょうか】と声をかけて、許可を取るとより丁寧です。
英語の【お疲れ様の言い換え例】
英語に【お疲れ様】の直訳はありませんが、似たような言葉で言い換えることができます。海外でのビジネスシーンに使ってくださいね。
軽い挨拶の場合
How you doing?(元気かい)
How are you?(調子はどう)
What's up?(最近どう)
頑張った同僚や部下を労う場合
Good job.(よくやったね)
You must be tired.(あなたは疲れているに違いない)
Thank you for your…(あなたのおかげだよ)
帰り際の挨拶の場合
See you tomorrow.(また明日)
Have a good night.(いい夜を)
Enjoy the rest of the day.(休日を楽しんで)
Take care.(気をつけて)
まとめ
- 【お疲れ様】と【お疲れさま】の違いはない
- 【お疲れ様】は、社内の目上の人に使ってもよい
- ビジネスシーンにおける【了解】や【なるほど】は間違った言葉
- 【ご苦労様】は【お疲れさま】と意味は同じだが、目上の人に使ってはいけない
- 敬語や正しい言葉は、本を読むことで正しい知識を身につけられる
- 【お疲れ様】は、状況に応じて言葉を使い分けるとよい
- 【お疲れ様】の英語表現はないが、似た意味の言葉はある
普段何気なく使っている言葉が間違っていると気づくことは恥ずかしいですよね。もし間違った言葉を使っていたら、これから正しい言葉を使いましょう。
正しい敬語を使っていると相手からよい印象を持たれます。相手の立場に立って、【この言葉を使ってもいいのだろうか】と考えることが大切です。
快い人間関係は適切なコミュニケーションから生まれます。適切な敬語を使って、相手とよりよい関係性を築きましょう。