マナーとしては個包装されたお菓子は、開封し、お皿に乗せて出します。お茶菓子はお客さまから見て左、お茶は右に置きます。
また、鮮やかな色のお茶菓子にはシンプルな色のお皿、地味な色のお茶菓子には色の鮮やかな柄や模様があるデザインのお皿を選ぶといいですよ。
来客のとき、「個包装のお菓子はそのまま出していいの?お茶ってどっちに置くんだっけ?」と悩むことや、「おまんじゅうがなんだかぱっとしない。」なんてことありますよね。
そんなときに役立つ、お茶菓子を出すときのマナーと、お茶菓子がおしゃれに見えるお皿の選び方をわかりやすくお伝えしたいと思います!
Contents
お茶菓子の出し方は包装を解いてから出すのがマナー
個包装のお茶菓子の出し方
個包装になったお茶菓子は包装を解いてから出すのがマナーです。
包装から出してあれば、お客さまがすぐ手にとって食べやすいですが、包装されたままだと食べるのを遠慮されてしまうことがあるからです。
私の個人的な意見ですが、少しお付き合いくださいね。
私がお客側だったとして、お邪魔した先が親しいお友達のおうちでしたら、おしゃべりを楽しみながら、出して頂いたものは個包装でも遠慮なくいただきます。
ただ、年を重ねるにつれ、お友達以外のフォーマルな場面も増えてきました。
そういった場面で、個包装のままお菓子を出していただいた場合、「包装を解く」というのが、無遠慮のような気がしてしまうのです。
封を切ってしまったら保存もききませんし、包装を解いて出されたほうが、その場で遠慮せずに食べてもらいやすいということです。
包装を解いて出すのは絶対ではない
包装を解いてお出しするのがマナーとされていますが、衛生面を考えて、個包装のまま出すというのもアリです。
近年は衛生にたいへん気をつかうようになりましたね。お客さまも袋のまま出してもらった方が安心とお考えかもしれません。
また、お客さまがその場で召し上がらなかった場合、お帰りの際に持って帰っていただきやすいという理由もあります。
封を一度開けてしまうと持って帰っていただくというのは、悪くなるのも早いですし、やはり衛生面が心配です。
お持ち帰り用の袋を事前に用意しておき、袋に入れてお渡ししましょう。
包装を解くのか、個包装のままお出しするかはお客さまに合わせるかたちで判断してもいいでしょう。
相手のことを思いやる気持ちがマナーの根本だと思います。
お茶菓子は懐紙を敷いて皿に盛り付けよう
お茶菓子の下に懐紙を敷こう
お茶菓子の下には懐紙を敷いてお客さまに出しましょう。
特に漆塗りのお皿にお茶菓子を乗せる場合は、懐紙がないとお菓子を切るときにお皿を傷つけてしまうので必要です。
また、お皿の汚れを防止したいときも必要です。
「なんだか聞き慣れない言葉が出てきた。」と思ってる方もいらっしゃるのではないかと思います。
私もその一人です。マナーの勉強を始めるまで恥ずかしながら知りませんでした。
懐紙とは「かいし」と読み、ふところに入れておいて、お皿のように使ったり、食事のときに口を拭いたり、メモの代わりに使うことができる和紙のことです。
茶道で使うものというイメージの方もあるかもしれません。
懐紙は白いシンプルなものから、柄の入ったもの・型押しのデザインなど、いろいろな種類があって、選ぶのが楽しいですよ♪
そうはいっても、「お客さまが来る機会ってそんなにないし、買っても余らせてしまいそう。」と思いますよね。
お菓子の下に敷く以外にも、お菓子のラッピングに使ったり、グラスの下に敷いてコースターのように使ったり、日常のいろいろなことに使える便利なものなんです。
私は天ぷらの下に敷いて使うこともあります。
ふだんの食卓で天ぷらの下に敷くのはキッチンペーパーなのですが、お友達や親戚に料理をふるまうときは懐紙を敷いてお出しします。
油もよく吸ってくれますし、何よりキッチンペーパーよりおしゃれなので気に入っています♪
なお、水分や油を吸わせるために懐紙を使う場合は、吸水性のあるものを選びましょう。
知っていればいろいろな使い方ができる懐紙。家にお客さまが来ることは少ないという方も、ぜひ日常でも使ってみてはいかがでしょうか。
懐紙は必ず使わなければならないものではない
懐紙は必ず使わなければならないものではありません。
懐紙を敷いているとお菓子を切りにくいという場合は使わないでおきましょう。
お菓子に合わせて必要かどうか選ぶのがポイントです。
懐紙は二つ折りにしよう
お祝い事のときは、右方向にずらして折り、仏事のときは左方向にずらして折ります。
お客さまにお茶菓子や料理を出すときに懐紙を使う場合は、懐紙は二つ折りにします。
これは着物の打ち合わせと同じで、相手から見て、衿は通常「右前」で、亡くなった方が着る着物は「左前」というルールに合わせてあるそうです。
日本の文化は奥が深いですね。掘り下げていくととても勉強になります。
お茶菓子の位置はお客様から見て左に置こう!
お茶とお菓子をお出しするときの手順とポイント
お茶菓子はお客さまから向かって左、お茶は右に置きます。
ではここで、お客さまにお茶菓子とお茶をお出しする手順をご紹介します。
- お茶を入れます。湯呑みはしっかり温めてからお茶を注ぎましょう。
- 湯呑みと茶托は別々のお盆に乗せて運びます。
- 茶托に湯呑みを乗せたら、お客さまから見て右後方から、先にお茶菓子を出します。
- 続いてお茶を出します。
この通りに出せばお茶菓子は左、お茶は右になるように出すことができます。
素朴なギモン
Q.なぜ湯飲みと茶托を別々のお盆に乗せて運ぶの?
A.運んでいる間にお茶がこぼれてしまう可能性があります。別々のお盆で運ぶことで、もしこぼれてしまっても茶托を濡らさずに済みます。
私もどうして湯呑みと茶托を分けて運ぶのか疑問に思いましたが、ちゃんとした理由がありました。納得ですね!
そして、もし茶托が木製だったら、お客さまから見て木目が横になるように置くというのもポイントです。
絵が入っているデザインの湯呑みの場合は、絵をお客さまの方に向けて置きましょう。
もし、スペースの関係でお客さまの右後方から出せない場合は左から出してもOKです。
左後方から出す場合は先にお茶、続いてお茶菓子を出すようにすれば位置はバッチリです。
出す順番が違っても大丈夫
マナーを意識しながら行動するとなんだか緊張してしまいますよね。しかし、出す順番が違ってしまっても大丈夫です。
先に出してしまったものの上をまたがなければOKなんです。
これは「袖越し」(「そでごし」と読みます。)といって、マナー違反です。
袖越しをしてしまうと、どうしても無理な手の使い方になってしまい、置いてあるものをひっかけて倒してしまう可能性があるからです。
どういうことかというと、間違ってお茶を先に出してしまったとしましょう。
マナーのとおり、右後方から、先に置いてしまったお茶の左側にお茶菓子を置くためには、お茶の上を通って、その先に置くことになってしまうんですね。
もし、出す順番が左右逆になってしまったとしても、お客さまの目の前で粗相をしないということのほうが大切です。
洋菓子にコーヒー・紅茶をお出しするときのマナー
洋菓子の場合も、先にお菓子、続いてお茶を出し、お菓子のお皿はお客さまの正面に、お茶はお客さまから向かって右奥に置きます!
お客さまがお菓子を召し上がるときにフォークやスプーンを使いやすいような位置にお茶を置きましょう。
カップの取手の向きは、お客さまから向かって右側に向けておくことが多いですが、どちらでもOKです。
もし、お客さまの利き手を知っていたら、それに応じて向きを変えておくと喜ばれそうですね。
また、ティースプーンは、持つところをお客様から向かって右側に来るようにカップの前に置くのがオーソドックスです。
カフェや喫茶店でカップの取手の下にティースプーンが置いてある時がありますが、これはイギリス式なんだそうです。
そして、お砂糖とミルクはソーサーの手前か、お客さまから向かって右側に置いておきます。
和と洋でお茶菓子とお茶の位置が少し違うので覚えておきましょう!
お茶菓子がおしゃれに見える皿の選び方【和菓子編】
お菓子の色に合わせて選びましょう
ようかんやおまんじゅう、どら焼きなど「色がちょっと地味だなぁ。」と思うのであれば、色が鮮やかな柄・模様が入ったお皿を選びましょう。
華やかさがプラスされ、お菓子もさらにおいしそうに見えますね。
また、練り切りのように色鮮やかで、見ることも楽しむようなお菓子の場合は、白や黒など落ち着いた色のお皿を選び、お菓子を主役にしてあげましょう!
豆皿でかわいらしく
小皿の中でも9センチ程度のお皿のことを豆皿といいます。小さめのお菓子を乗せるのにぴったりです。
練りきりや小さなおまんじゅうが、ちょこんと乗った姿がとってもかわいらしくて、私は大好きです。
最近は百円均一でもいろいろなデザインの豆皿が販売されています。
百円均一に行くと、買う予定があるわけではないのに、ついつい豆皿コーナーで立ち止まって眺めてしまうほどです♪
もちろん百円均一以外で食器を取り扱う雑貨屋さんや食器の専門店でも販売されていますので、気に入ったお皿に出会えるといいですね。
陶磁器の銘々皿はふだん使いできる
銘々皿は「めいめいざら」と読みます。なかなか聞き慣れない名前のお皿ですよね。
これは一人ひとり別々に料理を取り分けるためのお皿という意味があるんだそうです。
「一人ひとり別々」をちょっと難しい言葉で「銘々」といいます。
豆皿よりは少し大きいお皿で、15センチ以下の大きさのものをいいます。
素材は漆塗りのものが代表的ですが、他にも陶器や磁器、ガラス製などがあります。
漆塗りのものはよそ行きの雰囲気で、「ふだん使いはしにくいなぁ。」と思うのですが、陶磁器やガラス製のものはふだんの朝食やティータイムにも使えます。
菓子パンを乗せたり、切ったフルーツを乗せたりするのにちょうどいいサイズなんです。
ちょっとフォーマルな漆器の銘々皿はお客さま用というイメージが強いのですが、陶磁器やガラス製であればシチュエーションをそれほど選ぶことなく使うことができます。
ふだんも使いたいなら陶磁器やガラス製をそろえてみてはいかがでしょうか。
お茶菓子がおしゃれに見えるお皿の選び方【洋菓子編】
お菓子とお皿のバランスが大事
レストランやカフェで出てくるデザートの盛り付けにいつも感動してしまうのですが、お菓子とお皿の大きさのバランスはとても大事なんです。
お菓子でお皿がいっぱいになるより、少し余裕をもった大きさのお皿を選び、余白を意識するとかっこよくキマります。
また、洋菓子の場合も、お菓子の色が地味だと感じる場合は、色の鮮やかなお皿を選ぶといいでしょう。
形も色もお菓子とのバランスを意識して選びましょう。
四角いお皿はクールな印象に
お皿の形は、丸皿以外にもいろいろな種類の形があり、四角、楕円、お花のような形をした個性的なものなどさまざまです。
中でも四角いお皿はクールな印象になり、テーブルコーディネートがかっこよく引き締まります。
気がついたら家の食器棚が丸いお皿ばっかりだった私。次は四角いお皿も買おうかなとねらっているところです。
丸いお皿も四角いお皿も雰囲気に合わせて使いこなしたいと思います!
皿の素材で選ぶ
素材にも種類があり、中でもよく目にするのは磁器のお皿です。シンプルなデザインのものを1枚持っておくと、乗せるものを選ばないため、お菓子以外にも使えて便利です。
夏には見た目が涼しげなガラスを選び、アイスをのせて楽しむのもいいですね。
木製のお皿は特に茶色のお菓子がよく似合います。自然な素材がカフェのようなリラックスしたテーブルコーディネートを演出してくれます。
演出したい雰囲気にあわせて、または、季節を感じながらお皿の素材を選んでみるのはいかがでしょうか。
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まとめ
- 個包装になったお茶菓子は包装を解いてから出すのがマナー
- お茶菓子の下には懐紙を敷く
- お客様から見てお茶菓子は左・お茶は右に置く
- 和菓子も洋菓子もお菓子の色に合わせて皿のデザインを選ぶ
お茶菓子に合わせて、お気に入りのお皿を選び、お客さまも招く側もリラックスして過ごせるような雰囲気づくりをしたいものですね。
マナーとは相手が過ごしやすいように心配りをすることだと思います。
形式ばかりを気にするよりは、「あなたのことを考えていますよ。」と相手に伝わるように行動することが大切です。